◇2005.5.1◇

外は小雨だが出かけることにした。
大阪阪急三番外の紀伊国屋まで、久しぶりに本を買いに行く。
電動の車椅子が手に入ってからは、ルンルンでお出かけが出来る。

阪神電車梅田駅から、阪神百貨店のエレベーターを使って地下1階に出る。
そこから大丸百貨店のエレベーターを使って1階に出る。

1階からは、大阪駅の中央口を通って・・・と思っていると、中央口に通じる道は階段、西口側も階段、南口の方にも階段、全て階段しかない。一体どこを通ればここから抜け出せるのか?

主人は、駅員さんを呼びに行った。
駅員さんは、いったん外に出て工事中の通路を右に左に折れ、ようやくスロープに出た。
そこからは人の波に飲み込まれながら、登り、また人の波に呑まれながらすり鉢上の下り、と相当遠回りを余儀なくされた。
階段さえ無かったら、直線でまっすぐに来れるところを、登り下りの連続で電動でなければ到底これだけ遠回りは出来ない。

狭い歩道に出ると、自転車と人。信号を渡ろうとすると段差を下げる為に急な勾配、さすがに電動でも大丈夫かな?と思うほど。横断歩道には、渋滞で車が止まり車椅子が通る幅も無い。そこもようやく抜けるとヨドバシカメラの横を通り、新阪急ホテルのほうに渡る。

また大きな段差があり、車道を通るしか方法が無い。白い白線のある横断歩道の先はまた段差。そのまた先にも段差あり。とにかく車道を通り、段差解消の為の鉄板を登り紀伊国屋の方に向かう。本を購入し、トイレに行こうと店員さんに聞くと、別のビルに案内され待たされること5分以上。エレベーターから降りてきた車いすの方にトイレの場所を聞くと、介助者の方が聞きに走ってくれ、ようやく解った。

慌ててトイレに走る。用を済ませてエレベーターで降りてきて待っていると、先ほどの店員さんがここには無いようです。とエレベーターから出てきた。
もう行ってきました。というと申し訳なさそうにしていた。

もし先ほどの方とお会いしなかったら、10分以上待たされた挙句、別のところを捜す事になっていたであろう。トイレに行くにも大変だ。もし間に合わない状況に陥っていたらと思うとゾッとする。そこから出て横断歩道を渡ろうとすると段差、ようやく見つけた段差の無いところには、自転車が歩道を塞いでいた。

イヤになって帰ることにした。阪急百貨店から御堂筋線に降りるところには、階段しかなくデパートの受付に聞くと、人手で降ろしますと、6人の方が集まって15段ほどの階段を降ろしてくれた。お礼を述べて先に行くと次はエスカレーター。人ごみのデパートの中をエレベーターに向かい地下2階へ。切符を買い、駅長室を通ってようやくホームへ。

移動する事に疲れ果てた。
健常者優先の動線は、障害者には遠い道のりしかない。
弱者優先の動線に変えても、健常者が遠い道のりを強いられる事はないだろう。それどころか、皆にとっても便利で安全な動線に変わらないだろうか。

翌日、JRの助役と工事関係者に車いす体験をして頂き、誘導表示が無い事も車いすでの移動の大変さを実感して頂いた。

その後、JR大阪駅の工事中のところにスロープの表示もついた。
現在は、段差について阪急に申し入れをし阪急グループ全体で考えて頂く事に決まった。

R大阪駅から3週間待って文書が届いた。
内容の無い、お粗末な文書だった。

「プチハウスなな」  栂 紀久代
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